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鉄道復権―自動車社会からの「大逆流」 (新潮選書)

によって 宇都宮 浄人

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ペーパーバック : 238ページ ページ
作者 : 宇都宮 浄人
出版社 : 新潮社 (2012/3/1)
コレクション : 本
ISBN-10 : 4106037017
フォーマット : 単行本
発行日 : 2012/3/1
平均的な顧客フィードバック : 5 5つ星のうち(9人の読者)
ファイル名 : 鉄道復権-自動車社会からの-大逆流-新潮選書.pdf (サーバー速度23.78 Mbps)
ファイルサイズ : 24.73 MB

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宇都宮 浄人の本鉄道復権―自動車社会からの「大逆流」 (新潮選書)をダウンロード[EPUB]-電子ブックをダウンロード以下は、鉄道復権―自動車社会からの「大逆流」 (新潮選書)に関する最も有用なレビューの一部です。 この本を購入する/読むことを決定する前にこれを検討することができます。
欧州の状況をヒントに、日本における鉄道の可能性について論じた本ですが、例えば以下のような、欧日の差異をアタマに入れておかないと、日本への適応が難しい(また期待はずれになる)面があると感じます:1)日本では、鉄道に、大量・高速、かつ時間に正確な輸送を期待する向きが多いこと(特に、都市鉄道、都市間高速鉄道)→欧州の場合、都市間高速鉄道においては、上下分離であったり、また専用高速線と一般線間の乗り入れが日常的であることによって、列車の遅れは不可避な部分があります。(日本の新幹線のような、高速・高密度ダイヤを実現させるには、日本の現在の所有・運行スタイルがベストのように個人的には思います)また都市鉄道においても、「2分xx秒刻み、加減速きっちりの正確なダイヤ」という世界は無く、もう少しゆるい列車間隔で走らせるか、もしくは(ある種採算無視で)線路容量に詰め込めるだけの列車を走らせる(したがって遅れも許容)、という、アバウトな世界での運行です。2)土地所有制度/土地利用の違い日本の、特に都市圏における交通ネットワーク充実へのネックは、土地の買い上げ(もしくはそれを避けるための地下利用による費用高騰)です。(しかしこの土地価格上昇が、民鉄によるビジネスモデルを、他国に類を見ないレベルで成功させてきた側面もあります)一方、欧州は、人口密度の低さや、土地所有制度の違い、および、過去(19世紀、20世紀前半敷設路線)の鉄道遺産活用、といったところで、交通ネットワーク充実に取り組みやすい素地があることを忘れてはなりません。また意外と忘れてはならないのは、「日本は大都市部においても、山間地域が多い」ということです。欧州の大都市は、せいぜい100万人未満(勿論超えているロンドン、パリ、ベルリン等もありますが)。人口の多さと山間部の多さの両方を兼ね備えていることは、欧州都市のファンダメンタルズと大きく異なることを意識しておく必要がありそうです。3)環状道路の存在有無欧州の都市においては、市街地・郊外にわたり、通常、幾重もの環状道路が設けられています。この環状道路の存在こそが、「徒歩圏」と「自動車圏」のように、主要交通手段を分ける分界点となっています。(パークアンドライドも、郊外のこういった環状道路と、放射状道路との結節点近くに設けられることが多いです→環状道路の内側はバスやトラムを重用し、外側は自家用車主流、といった感じ)こうした環状道路は、モータリゼーションで整備された部分もありますが、それ以前の、馬車交通時代に整備された部分もあります。日本においても、こうした「主要交通手段」を分ける、明確な分界点を設けられるか否か、が、特に都市中心部における、公共交通機関の復権につながると感じます。4)都市経営における考え方欧州の都市については、都市間競争が激しく、産業誘致・人口誘致・都市財政好転等において、それぞれの都市の戦略が、日本以上に重視される側面があります。この都市間競争は、国内に閉じたものではなく、広くEU内(そして大都市においてはグローバルレベル)での競争と解することができます。逆に言えば「住み易さ」「(職場学校への)通いやすさ」「安全な交通」も、都市の競争における1つの強みであり、こうした文脈で、都市交通計画がなされていることに留意する必要があります。※この文脈では、大都市への人口一極集中はネガティブな要素ですね。大都市圏であっても、郊外に複数の産業拠点を分散させるようなツクリを心がけているのも、欧州の都市計画の1つの特徴と思います。

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