インタープリテーション入門―自然解説技術ハンドブック

第1章の「歴史と理念」の中でインタープリテーションの基礎を築いた人々が紹介されます。その中の一人、チルデン（著書としてInterpreting Our Heritageなどがあり）は「インタープリテーションの6つの原則」の一つとして「インタープリテーションは素材が、科学、歴史、建築、その他何の分野のものであれ、いろいろな技能を組み合わせた総合技能である。技能であるからには人に教えることができる。」とします。レビュー者は科学技術のインタープリテーションに関心があって、本書のタイトルを目にし、「『自然解説技術ハンドブック』と副題されるけれど得るものは多いだろう」と考え入手しました。期待通りで、本書はインタープリテーションを行うための手順が米国的に、事例を含めてわかりやすく解説されていて、想像力を働かせることは必要ですが、他の分野にも有効に活用できると思います。なお、本書は米国で発行された本の訳書ですが、巻末に「日本語版解説」が設けられ、日米の対比などを通して、どのような背景で本書がまとめられたか理解できるように配慮されています。